とある魔術の電脳戦機を遊んだ老人とバーチャルユーチューバー
かつて『バーチャロン スキマティック』って本があってねぇ……。僕はこの本が大好きなんですよ。エネルギッシュで。
あらゆる意味でテラッテラに脂が染み出してる〜〜って感じでいまみたいに秒で情報が拡散するような時代では怒られが発生しまくって作ろうとも思われないようなトガった内容でめちゃめちゃいい本なんですよね。
とくになぜかバーチャロンにほぼ関係ない富野監督とバーチャロンのプロデューサーの対談はもはやメンタルヘルスと言ってもいい状態でガンダムファンなら必見です。すごいぜ。ガンダムってニュータイプ同士がスピリチュアル口喧嘩するじゃん。あれのリアルルポだよ。
すごすぎる。
そんなバーチャロンですがたまに次世代機に以上な情熱を持って移植されたりとか死んだような死なないようなゾンビ休眠状態を繰り返しつつあっという間に16年、ひさびさに新作が出ました。
電脳戦機バーチャロン×とある魔術の禁書目録 とある魔術の電脳戦機 -PS4
- 出版社/メーカー: セガゲームス
- 発売日: 2018/02/15
- メディア: Video Game
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『禁書』とのクロスオーバーなんですがまぁそれは別に抵抗とかは特にないっていうかクロスオーバーくらいしないと予算でないのはなんとなく察せますし……
んでようやく買って*13時間ばっかし……ひとり遊び2時間対戦1時間くらい遊んだんだけどん〜〜〜〜なんというか……こう……大人しくなっちまったなぁ……丸くなったなぁ………………という感じのアレでこう、時代、時代だね。時代を感じてう〜〜んって感じでわかっちゃいたけどあらゆる意味で「まぁこんなもんかな……」って出来でうんうん、という範囲に収まってるというかハイ、という感じでブチ切れるようなもんじゃないけど大はしゃぎするようなもんでもなくて感情が"凪"って感じのゲームです。いまんところ。
プレイ時間3時間で知ったこと抜かすなとか言われそうですがなんかウン10時間も遊ぶかっつーと怪しい気もするしひと段落遊ぶからにはなんか書く情熱も無さそうなのであくまでちょっと遊んだインプレッションとして書きます。
◆最初に褒めるとこ褒めとく
全体的にsage要素が多くなりそうなので最初にいいなーと思ったとこだけ書いときます。
・ロボのモデルがカッコいい
これはマジですごくて。
バーチャロンってゲームで動かすようなモデルのほかに広報用の頑張って作ったハイエンドCGって呼ばれたりするかっちょいいCGがあって、そのカッコいいCGがたくさん載ってる半分写真集じゃんこれみたいな本とかオタクは買ったりしてたんだけど
- 作者: ドリームキャストマガジン編集部,エンタテインメント書籍編集部
- 出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ
- 発売日: 2000/12
- メディア: 大型本
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本作はゲーム中のポリゴンモデルがハイエンドCG顔負けで昔を知るおっさん的には「アー」ってなってアツい。フェイ・イェンのお尻から伸びてるやつの質感とかヤバすぎて泣きそうになったもんな。
ただ2018年なんだからそれくらい当然やろ?と言われると至極その通りでここがうれしいとかわざわざいうのはもう完全に老人なのかもしれない。俺たちは老人。
・新キャラがかわいい
新キャラのリリナがかわいい。
いわばチャム・ファウみたいなポジションなんだけどわちゃわちゃしてるしノリがいいしころころ表情が変わるし四六時中うるせえので大好きになってしまう。かわいい。
バーチャロン、昔っからなんかゲームやってるだけだと1ミリもわからない入り組んだストーリーとかあって結構それが好きだったりしたんだけど突然シリーズ開始10年くらいしてからそれまでほとんど人間の顔とかハッキリ映らない系の展開してたのに急に上みたいなイラスト出て来て「あのキャラクターの外見これやで」って言われて
「えっ、えーーー、まあ、その、いい絵で面白いと思うし公式様がそう仰るなら従いますけどなんというな思ってたのとまったく違ったというか、なんか、その、解釈違いです……」
ってなっちゃったりしてたんだけどリリナは新キャラだからなんか解釈違いとかないしかわいくていい。フィギュア欲しい。
・トランジション楽しい
これまでのバーチャロンの戦闘はお互いにダッシュや旋回や歩きを駆使して相手の硬直を以下にとらえるかみたいな感じで割とメリハリが極端についたキビッ!キビキビッ!としたゲームだったんですけど、今回トランジションという、アーマードコアでいうサテライトのような軌道のダッシュが加わってゲーム進行がヌルーッとなりました。
トランジションはダッシュとかキャンセルできてしかもトランジションをキャンセルしてダッシュとかもできて、いままでのバーチャロンと比べて切れ目が有機的になった感じがする。
これは素直に面白いです。最低限の追加要素でゲーム性変えたなーと感心しちゃった。
トランジション→過渡期→カトキのダジャレも好きです。
・テムジンの新テーマが良い
実質主役ロボであるテムジンは毎回「青空」をモチーフにしてる……毎回はしてないかもしれんけどとにかく爽やかでズバズバしたすげーかっこいい曲があてがわれてるんです。初代の『IN THE BLUE SKY』はあまりにも名曲すぎてロボット全然関係ない『るろうに剣心』の作者が作業中聞きまくって思わずそのまま志々雄編最終回のサブタイトルにしちゃったくらいいいです。すごくない? んで今回の曲もなかなか良いです。ちゃんと青空を連想させるしいまのテムジンのテーマ曲ならなんとなくこうなるやろなあって雰囲気出てる。
俺はテムジンのテーマはフォースの『Tidal Blue』が好き。
・バーチャロンの新作出して偉い!
マジでもうファン側からしても「もうバーチャロン儲からへんのやろなあ」って想いがあったのでこのタイミングでドゴシュと新作出したのはマジでえらい。えらいぞ。
ただ個人的スタンスとしてはそういう制作側のやむを得ない事情とか消費者側は「知らんがな」って生きていくべきと思っているので本当は新作出すの大変だったのにえらいねーとか言うべきではないだろとか思っちゃうんだけどそれでも偉いし諦めないでやってくれて嬉しいので評価ポイントに数えてしまった。許せ。
◆ダメポイント・ビミョーポイント
・UIが安い。見辛い。貧乏くさい。
これ。最悪。
ホンマか? ってなったよ。
おま、おま、おま……お前これホンマか?
新作出るたびに「ヒューッ!画面イカしてる〜〜モダン〜〜!」ってやり続けてきたバーチャロンの16年ぶりの新作が、おま、おま……これ!?
嘘でしょ!?
バンダイナムコの下請けが半年で作る仮面ライダーゲームのUIだろこれは。びっくりした。
ゲームをプレイした人間がもっとも「リッチだな〜」「センスいいな〜」って感じるところはUIってのはもう結構言われたくしてて俺たちゲームやる専マンのあいだでも「確かにそうだよな……」って意識がにわかに根付いてるんですがその……2018年ですよ!?
子会社のプレゼン見てきて。ホンマ。
戦闘中のHUD表示については悲惨の一言で従来作品に比べて悲惨すぎ。
ゲージ、小さすぎ。なんで???
過去作こうだぞ!?
ゲージが小さすぎて見辛いせいでゲームとしては悪い意味で別物になってしまいました。
極端な言い方をわざとすると「なんとなく武器を出してなんとなく死んだり殺したりしてるゲーム」になっちまってら……。
「いや、見辛いっちゃ見辛いけど慣れるでしょ」
という意見もあるだろし実際慣れてくるんだけどここまで小さくなってると慣れた慣れないじゃなくてダイレクトに視覚情報に関わってきます。
意識して視点を動かさないと武器ゲージの残量が見えねえ。
バーチャロンはリソース管理対戦だと思っているので本作でこのゲージ管理のしづらさはハッキリと「クソ!!!!!!!」と断じたくなるダメダメさです。なんで小さくした? 言え!
・なんかプレイフィールがざっくりしてる
これはまだやり込みが足りないのでウン10時間プレイしてる人からは怒られるかもしれないし、また恐らく、開発側はわざとやってんじゃないかな? とも思うんだけどなんか今作対戦がざっくりしてません?
いままでの脳が沸騰して歯を食いしばってシーハーシーハー言いながら画面を凝視して硬直取りして脳に快楽物質が出て死ぬみたいな感じに比べるとバゴーン!気持ちいい!みたいな感じになった。
パーティーゲームっぽくなったっつーかな。ギリギリを争う感じではなくなった気がする。
でもこれは別に悪いことじゃなくていままでちょっとゲームとしてハードル高すぎでしょ、みたいなところもあったしこれくらいざっくりさせた方がいいのかもしれない。
ゲームバランス的にもわざとざっくり作って、実力差と性能差でこれはもう無理ゲーでしょって感じじゃなくてボカーンってノリと勢いで勝てちゃったみたいな方向に作って気がする。
だからこれは別に不満ってんじゃないんだけどなんかざっくりしてるよね、という感想です。
・シュタイン・ボックがいない
アファームド・ザ・コマンダーはいるのにぃ〜〜!!!!!!!!!!!
・新鮮味が薄い
これも「まあ仕方ないんやろなあ」って思いつつ、新作の割に新鮮味がない……やってもやっても「もう見た」ってなる感じがあってさびちい。
ストⅡがストⅢに、Ⅳになったんじゃなくてバージョンアップしたみたいな感じがする。お金も時間もなさそうだからしゃーないけど……
◆タニタ頑張れ
そんなわけで羅列したらやっぱりdisりみたくなった。だってしょうがないじゃん……。
でもちゃんとお店で買ったしDLCまで買ったんだから義理は果たしたよな。
なんかタニタが「ツインスティック出すぞ!」って言い出したけどその、タニタさん、このゲームその新規デバイスを活かすプラットフォームとしては不安なので完全新作出すために出資しませんか? まずツインスティック成功しないと無理? だよな、そうだよな……。
とにかくずっと「お金と時間がなかったんやなぁ……」と事情を察してしまうゲーム。ほんと、出たことがありがたいし光るところはあるんですけどね……。結果、新規ファンエントリーのためとしても老人介護としても半端なものになってしまっている気がします。世知辛い(のじゃおじの画像)
とか思ってたらスクエニから時間とお金をかけたツインスティック操作の完全新規IPアーケードロボットゲームが発表されてビビった。おぉすごい、なんかこう、タイミングがすごい。
なにはともあれこんな時代にこんな金と時間がかかってそうなプロジェクトはすごいのである程度お金を払っていきたい。みんなも新規IPにはお金を払いましょう。それでは。
電脳戦機バーチャロン×とある魔術の禁書目録 とある魔術の電脳戦機 -PS4
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*1:本当は先月中旬発売だったんだけど新規IPのがるメタる!を優先したかったので