バットなんとか
ブルーレイBOXを買ったので、ここのところバットマンTVシリーズをよく見ている。
バットマンTVシリーズとは1966年に始まったテレビドラマで、主演がアダム・ウェストなので「アダム・ウェスト版バットマン」と呼ばれたりもする。
バットマンの物語の雰囲気は、生まれてから現在にいたるまで大体
ダークでシリアス→バカ→ダークでシリアス→今に至る
という風に推移しており、このTVシリーズはバットマンがいちばんバカなときに作られたクソバカバットマンとなっている。
で、バットマンというとすぐ自分の考えた小道具に「バットなんとか」という感じの名前をつける。
自分が乗る車は「バットモービル」だし、使うブーメランは「バットラング」だ。秘密基地は「バットケイブ」だし。
そんな感じでバットマンはすぐに「バットなんとか」と言い出すのだが、このテレビドラマ版はとにかくそれが露骨なのだ。
まず警察からバットマンへのホットラインが「バット電話」。バット電話て。
原語だと「バットフォン」とかなんだろうがへなへな翻訳の仕事で「バット電話」になってしまった。
さらにバットマンの秘密基地は「バット洞窟」。別に「バットケイブ」で良くない?
まぁ子供向けシリーズとして放送されてたので「ケイブ」だとわかりにくいって判断なのかもしれない。
でも「バットラング」は「バットブーメラン」とか「バット手裏剣」じゃなくて「バットラング」なんだ。なんでだ。
さらに話が続くとどんどんネーミングが適当になっていく。
女性が毒を飲んで倒れてしまったのでバットマンが助ける。飲ませる薬は「バット万能薬」だ。「バット万能薬」だと!? 適当か?
ジョーカーに銃で撃たれそうになってとっさに出した馬鹿でかい盾(どこから出したんだよってくらいデカい)には、わざわざ表面に「バットシールド」と書いてある。
挙げ句の果てには敵の催眠光線を防ぐためにその辺に落ちてた鏡の破片を拾い、「バット反射鏡」と言い張る。バットってなんだよ。
アジトには推理に詰まったときに適当に操作するとヒントをくれるすごすぎるコンピューターがあり、名前は「バット電子頭脳」。マジかよ。
でも原作コミックでも「バットコンピューター」はあるんだよな。単に邦訳が面白いだけなのかもしれない。
ちなみに原作では「マッドハッター」というヴィランがいるのですが、本作の訳では「いかれシャッポー」と訳され、ひどい。しょっちゅう「帽子きちがい」って言われてるし。
他にもジョーカーの部下の名前が「ジューエン(10円)」と「オサツ(お札)」だったり、リドラー(本作ではナゾラー)一味がなぜか「ネズミ一味」なる名前にされ、メンバーの紅一点が「チュー子」とかいう名前だったりでとにかく適当に訳した箇所がすごい。
そういえば「ゴッサムシティ」も「ゴッタムシティ」だし。
ゴッタムシティはゴッサムシティと違い、なんとなく市民全員がちゃらんぽらんな雰囲気で、ときどきバカな悪党は湧くけど概ね平和そうな街です。
あと収録の関係上なのか、バットマンが活動するのは8割くらい真昼間です。真昼間の道路をバットマンカーで走って市民にメガホンで話しかけるバットマンの姿は、近年のドシリアスな姿を見慣れてると衝撃的な平和さがあります。
なんかもっと適当なことを5行くらいブログに書こうと思ってたんだけど、途中から普通にTV版バットマン紹介になってしまった。けどとにかく面白いです。
国内版は死ぬほど高いけどほぼ同じ内容で海外版が安いのでオススメです(吹き替えも字幕もアリ)。
見ようバットマンTVシリーズ。
劇場版ですがジェームズ・ロルフ氏によるこのレビューもオススメ。
とくにオチもなく終わりです