奇妙な出会いをした『電気グルーヴ×アイデア』という本がとても良かった
電気グルーヴ×アイデア―電気グルーヴ、石野卓球とその周辺。 (アイデア特別編集)
- 作者: 久米泰弘,アイデア編集部
- 出版社/メーカー: 誠文堂新光社
- 発売日: 2013/03/01
- メディア: 単行本
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自分でも発祥がなんだったのかわからないんだけど
中高生くらいのときに一時的に電気グルーヴの曲を聞くようになったんですよね。
マジできっかけがわからない。
それもキチンと彼らの動きとかを追ったりしてたわけでもなく
イベントとかに行くわけでもなく2~3枚ツタヤでアルバム借りて聞いてただけ
なんですけど、なぜかそれだけのことで一時期
「電気グルーヴというのはおもしろい大人だ」
「ユーモアというのは電気グルーヴがやってるようなことだ」
とふんわり考えていたことがあった。
なんでだろうね。
このへんを聞いてたんだったかなあ。
まあそんな感じで電気グルーヴについてめちゃめちゃ愛着が深いわけではないけどなんとなく好きという距離感だったんだけど、このあいだフラ~とブックオフに行ったら売ってた本に心奪われたわけです*1。
オイオイオイオイ。
ウソでしょ。
隠れちゃってるじゃん。瀧が。
ピエール瀧と石野卓球。このふたりが揃ってこその電気グルーヴではないのか。
なのに狙ったように瀧の顔にペタリと値札を貼るなよ。
何やってるんだよ。
とムダに心を鷲掴みにされてレジに走ってしまった。
なんてことだよ。ブックオフ、お前の勝ちだよ!
同時にこの本を作り上げた『アイデア』編集部……。『アイデア』といえばけっこうな歴史を刻んでいるデザイン誌である。デザイン誌だぞデザイン誌。
本作るのに必要な作業としてデザインを練ってるわけじゃなくてデザインとはなんなんだ、デザインそのものについて考えよう、と日々日々考えに考えまくって誌面を作っているであろう編集部の、ムックの、考えに考え抜かれたであろう
「電気グルーヴならこの表紙しか無いよね!」
とキメキメにキメたこの表紙!
その表紙をブックオフの店員が適当に仕事したんだか悪ふざけでやったんだかで台無しにしてしまった。
そしてその台無しになってしまった表紙という物体に心奪われてつい買ってしまった私。
なんなんだこのいびつすぎる図は。
だんだん申し訳なくなってきた。でもなんかまあ世の中なにが起こるかわかんねーよな。わかんねーよ。
んで内容はっつーとめちゃめちゃに良い。
ようするに「電気グルーヴのデザイン面」について触れた本で、それぞれのアルバム、シングルについてどのような経緯でそれらが作られたか……とくにジャケットの美術について語られに語られた本で「へぇ~~~」がたくさん載ってる。
めちゃめちゃにおもしろいです。
ものすごくクリエイティブに趣向を凝らしたものばかりなのにも関わらず、どことなく
「なんかなんとなくいい感じのものができちゃったんだよね」
って雰囲気もめちゃめちゃに漂ってるのは電気グルーヴらしさってことなんだろうか。
そしてデザインで食ってる『アイデア』編集部らしく、本の装丁もすごーくおもしろい。
バカみたいなこと言うけど一冊の本にかなり違う判型の紙質と印刷が違う紙がところどころに挟まってるんですよ。
それで読んでると
「手間とコストがかかってるなあ」
って思うし、しかもそれらがなんとなく読者に向けてリズム感を出すためだけじゃなくてある程度意図を感じるものになってるのがいいな~と思う。とてもおもしろい。
例えばアルバムのジャケットについて語るために、CD内の冊子と同じサイズの紙を挟むことでCDを買った時の体験を擬似的に再現してたりするわけ。
超おもしろい。
ここなんか
「ウワ~! ふつうの判型のあとに正方形の紙が挟まっててその次に細長い紙が挟まってる! 2枚も変な紙が挟まってる!」
ってなっておもしろく感じてしまう。
飛び出す絵本で大はしゃぎする子どもみたいだな。でも本当におもしろい。
同時に
「紙媒体でできることってホントはこういうことなんだよな」
とも思えるし超いいです。
もちろん、単純に
「あのビジュアルはこうやって生まれたのか~」
という感じの「できるまでエピソード集」としてもとてもおもしろい。
いちいち読み応えがある。電気グルーヴの曲を聞いたことがないマンでもオススメです。
っていうか電気グルーヴの曲っていまほとんどSpotifyで聞けるんだよ。めちゃめちゃな曲数が聞ける。すごいなSpotify。
なのでSpotifyで聞きましょう。聞け聞け。
というわけで久々に
「紙の本で出す意味ってこういうことだよな~~」
みたいなのを精神論とかなんとなくな利便性じゃなくてアイデアで見せられてとてもお腹がいっぱいになりました。良かったね。
こういう意味あるものはやっぱりいいですね。意味あることもしたいなあ。
ところで別にアイデア満載ってわけじゃないんですけどスマートフォンでしかできない系の表現というものもありましてそれがチャット小説とかいうやつです。
これがようするにLINEとかみたいな雰囲気でお話が読めるというやつなんだななるほど今の若者はこういう形でフィクションを摂取しているのか~~! と出会ったときはなかなか衝撃的だったわけですがそうした若者向けのメディアで現在『マシーナリーとも子ZERO』というくだらないお話をなるべく毎週土曜美更新予定で連載中なので読むといいよ読め読め!!!!! 若者の文化に触れろ!!!!!!!!!!!
電気グルーヴのゴールデンヒッツ?Due To Contract
- アーティスト: 電気グルーヴ
- 出版社/メーカー: Ki/oon Records Inc.
- 発売日: 2014/04/01
- メディア: MP3 ダウンロード
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