読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

バットマンでVR童貞を捨ててきました

f:id:barzam154:20160917131636j:image

プレイステーションVRのローンチ(だよね?)タイトルとして発売される予定の『バットマン:アーカムVR」。

本日は六本木で行われているホットトイズのイベント『バットマン100%』に遊びに行きまして、これがもう大変楽しかったんですがその順路の一番最後にてこのアーカムVRの体験が出来たので、並んでプレイしてきましたのよ。

もともとプレイステーションVRを始めとして現在花ざかりのVRコンテンツに、興味がありながらも「ホントに面白いの?」って疑問に思っているところもかなり強かったため、もともと好きなシリーズだしちょうどいい、試してみようということで列に並んでみました。

 

アーカムVR体験会の内容

ゲームはまずプレイ内容の選択から始まります。

プレイヤーが立っているのは、恐らく前作『アーカム・ナイト』と同様のゴッサムシティのどこかのビル。

空中に二つの体験会用ゲームのアイコンが浮かんでおり、片方はバットマン、もう片方はロビンが描かれています。

これは視点で選ぶことができ、また後ろを向いたり前方に少し歩いたりできます。

 

担当のサポーターに促されてバットマン側のゲームを選ばせられるとゲーム開始。

舞台はウェイン邸に移り、チュートリアルが始まります。

ここでプレイステーションmoveの操作法を教わるのですがなかなか快適。

ピアノの上にあるウェイン家の写真立てを、自分の腕を伸ばして掴むように言われるのですがここでは「うまく掴めない」的なストレスは皆無。

右手で写真立てを掴み、裏返して左手で持ち直すなんてアクションが現実世界のようにスムーズに行えます。

正直『FallOut』の掴みアクションより何倍も操作性はいいぞ!

そのあとも電話の受話器を掴み耳元へ持っていくと音声が聞こえたり、鍵でピアノの蓋を開けたりといろいろ操作させてもらえるのですがどのアクションも仮想と現実が混じり合った妙な感覚が味わえてニヤニヤできました。

 

その後現れるエレベーターでバットケイブに移動。プレイヤーはプレイステーションmoveを操作しながらスーツを着て、ガントレットを着け、マスクを装着。

続いてグラップルガンと捜査用スキャナー、バットラングをテストしながら腰のユーティリティベルトに収めていきます。

その後エレベーターはバットラングの最深部に到着し、さぁバットマン出動だ……! というところで体験版は終了します。

 

◆想像以上の感動と、同じくらいの落胆もあり

と、いうわけでVR初体験をこなしてきたわけですがものっすごく感動した反面、ハッキリと「こりゃダメだなあ」と思ってしまった点もあり、ちょっと複雑な感情になりました。

 

まずVR初体験の感動。これはすごい。

プレイステーションVRで視界が仮想世界いっぱいに塞がれることによる没入感はものっすごいものがありました。

ふだん現実世界に行っているように下を向くとゴッサムシティのきったねえビルの天井が見え、前に2歩進むとその高さに思わず足が竦む!

思わず前にある手すりを掴もうとしてしまい、その時にハッと「これはゲームで、本当の俺は六本木のビルの中にいるんだった!」と再認識してしまうほど!

そのあとに「これ、『アーカム』シリーズってことは俺はここからもっと高いビルにグラップルガンでワイヤー張って、飛んで行かなきゃならないんだ!」と気づいてしまい、軽度の高所恐怖症な僕は尾てい骨がムズムズする感覚を覚えてしまいましたね。

後ろを振り向く(VRなので当然実際に身体をくるりと振り向かせる必要あり)とGCPDのビルがどーんと現れて、「ああ俺は今バットマンなんだ!」と思わせてくれてジーンとしてしまいます。

 と、ここまではまったく文句なし!

話には聞いたいたがものすごいデバイスがでてきたもんだ!と素直に感動しました。

が、感動したのはこのへんまでで、この後に結構強めの落胆が襲いかかってきたのでした。

 

プレイヤーはバットケイブに入り、バットマンの装備を身につけることでバットマンとなっていきます。

興ざめなのは実はここ! 盛り上がりそうなところなのですが僕はここでかなり「えぇ〜」となってしまいました。

まずはバットマンスーツがカプセルから出てきます。ここでまるで映画版『アイアンマン』のように自分の身体をバットスーツが包んでいく! といつような体験を期待したのですが……

実際はバットエンブレムを掴み、自分の胸に持っていくと一瞬で着替えは終了。

劇的な演出もなく目の前からスーツが消えることでバットマンスーツに着替えましたよ、というシークエンスは終わります。マジで?

 

次にガントレットを嵌めますがこれもプレイステーションmoveを活かして、まるで実際に嵌めていくような体験が……できると思ったのですがレバーを引くと一瞬で生身の手がグローブに変わるだけ。

 

極みつけはいちばん大事なマスク装着シークエンス。

ああ、これをつけることで俺はゴッサムシティのプレイボーイからダークナイトへと変わるのだ……と感慨深く両手でマスクを掴み、さあ被るぞ、とマスクを裏返したりしてみたところ横からお姉ちゃんのアドバイスが!

「頭に近づけるだけで被れますよ!」

 

 

f:id:barzam154:20160917135811j:image

NOOOOOOOO!!!!

そうじゃ!

そうじゃねえだろRockSteady!!!*1

俺は!!!!!

自分で!!!!!!

 バットマンになりたいの!!!!!!

ドラクエの装備コマンドみたいに選んだらなんか着てるんじゃなくて自分で腕にガントレットを嵌めてゆっくりとマスクを被りながら思考に耽って目を閉じ、被り終わってしばらく目を閉じたままになってしばらくするとカッ!と目を見開いて走り出してデレレーデン*2したかったの!!!!!!

なんで!!!!!!!全部!!!!!!!!!自動なの!!!!!!!!!!!!

 

 

いや

 

 

わかる。本当はわかってる……

ここが自動なのはわかってる。

きっと歩留まりが難しいんだよね。

例えば本当にここで「服を着る」というアクションをプレイヤーに操作させようとすると、「チャックを閉める」みたいなアクションがうまくいかず、人によっては多大なストレスになり得る。

早くバットマンに着替えて悪党どもを殴りに行きたいのに、たかが着替えシーンで戸惑うことになる……なんて想像することはできます。

でもさぁ……オートかぁ……俺はバットマンなのにバットマンのマスクを被らないのかあ……。

 

ゲームはその後、先述の通りバットマンの装備の試用と装着の後(ここの、グラップルガンをユーティリティ・ベルトにしまうというアクションは実感が伴っていてむちゃくちゃに楽しい!)ゲームは終わります。

 

ゲーム終了後、お姉さんに「いかがでした?」と聞かれたので僕はVRに感動したのを伝えたあと、「でもこれ、バットマン飛びますよね? すげー怖そうですね〜」と言いました。するとお姉さんからここで驚愕の一言が。

「あ、でも実際の移動は一瞬で終わるのでフワーって飛ぶわけではないんですよー」

 

 

 

 

 

 

 f:id:barzam154:20160917140959j:image

RockSteady……お前……マジで……?

俺飛べないの? バットマンなのにゴッサムシティ飛び回れないの……?

もちろん……体験版だし……実際にゲーム内で試したわけではないし……たまたま担当のお姉ちゃんが適当コいただけかもしれないけど……そっかあ飛べないんだ……あっそ……

 

 

◆俺たちはバットマンじゃないから飛べない

というわけで初めてのVR体験はワクワクとガッカリが同じくらいの強さで襲いかかった複雑な心境となるものでした。

まず、VR体験自体はマジで素晴らしい。

これまでにないもので、ありがちな言い方だけどまるでSF!

ゲームでここまでの体感を伴う没入感はありませんでした。

ただ、それだけにゲームとしての快適さを追求した結果、普通のゲーム以上に現実を意識してしまう……という妙な感覚も覚えました。

僕が今回VRで感じた不安は……VRという死ぬほどリアルな空間を与えられることで、ゲームをやってるはずなのに「所詮俺は俺である」という感覚を味わうのではないか……ということでした。

 

f:id:barzam154:20160917141633j:image

思えば『バットマン:アーカム・ナイト』の日本版キャッチコピーもアーカムVRと同様「究極のバットマン体験を」というものでした。

そのキャッチコピーに偽りなしで、プレイヤーは簡単な操作で自在にバットマンを操ることで、ただゲームパッドをポチポチしてるだけなのに思考は「俺はバットマン!!!」という感覚を味わうことができます。

多分このゲームを遊ぶほとんどの人が、「ゲームとして最大限効率のいいプレイ」よりも「こんなときバットマンならどうする?」というようななりきりプレイを楽しむことでしょう。

ゲーム内ではそのバットマンとプレイヤーの一体感を強く意識した演出もあり、クリア後は細かい不満*3がありつつも、間違いなくアーカムシリーズ最高傑作であり、また久々に「テレビゲームって表現手法、マジでスゲえな!」と唸った作品でした。

映画や本と違い、テレビゲームは物語を見聞するだけでなく自分が経験することができる!という感動を改めて得ることができました。

なのでその没入感がより増すはずのVRならもっとすごいことになる!

と思ったのですが……実際はマスクをつけるのもオート、バットラングも狙わなくても目標に飛んでいく、しかも街を飛び回ることはできないかも? と次々に襲いかかる現実感を伴った「しょうがないよね感」……。

 

おそらく、これからのVRゲーム開発はそこらへんのハンドリングがものすごく難しくなるんでしょう。

「リアルを追求すると操作感やテンポが台無し」

「オートにすると段取りの良さが消失して興ざめ」

 

「リアルを追求すると高所がマジで高すぎて本当にダメな人には多大なストレス」

 

「でもそこに気を使ってそうした演出を失くしたり移動をオートにすると興ざめ」……

こうしたジレンマがものすごくあると思います。

 

結局、アーカムVRをプレイした結果、すごいなりきり体験が得られるけど、すごいだけに俺はバットマンではない……ということを強く認識させられました。

アーカム・ナイトを遊んでた俺は間違いなくバットマンだったのに……

 

実際にバトルシーンを遊んだわけでもないのにひどくネガティブな考えになってしまいましたが、現実に部屋の中でパンチやキック、側転回避なんかするわけにもいかないのでバトルシーンもそれなりに気を使われたゲーミングになるのでは……と想像してしまいます。

 

『アーガイルシフト』や『ボトムズ バトリング野郎』といった、ほかのバトルものVRゲームをやったわけではないのですが、とりあえず今日アーカムVRをプレイして考えてしまったことは以上のようなものでした。

でもきっと『サマーレッスン』やアダルトVRのようなものは超人的なアクションとかを要求され流わけじゃないし、純粋にものすごい体験ができるんだろうな……と期待してます。

 

VR、ものすごい技術だし他では得られない体験が得られます。ただ、既存のゲームで味わえたのにVRでは得られない体験もものすごく多そう。どうもこれからのゲーム体験が劇的に変わる!!!!ってことはなさそうですなあ。

うーん

 

とりあえずプレイステーションVRはまだしばらく様子見で、ええかな……と思ったアーカムVR体験会でした。

*1:アーカムシリーズの開発会社

*2:ティム・バートン映画のテーマ曲

*3:吹き替えがウンコ、訳がこれまでと比べてビミョー、ボス戦がミニゲームばっかり、等……