楽しい映画としての圧があまりにも強すぎる!「『マイティ・ソー バトルロイヤル』が最高すぎた
『マイティ・ソー バトルロイヤル』見ました!
強烈におもしろい最高に映画らしい映画、娯楽作かくあるべしな内容でした。
楽しかったなー。
とりあえず改めて「バトルロイヤル」って邦題つけたひと土下座してください。
「ラグナロク」でいいだろ!!!
ソーと肩を並べるアベンジャーズのビッグ3の残り二人による『キャプテンアメリカ ファースト・アベンジャー』『ウィンターソルジャー』『アイアンマン』『2』『3』に比べると
『マイティ・ソー』『ダーク・ワールド』はどうしても
「お、アベンジャーズに備えて予習したいのかい? ソーは別に見なくてもいいよ!」
って言われがちな不遇なポジションになりがちなんですが、僕はむしろソーの幻想的かつ陽気な雰囲気とか、MCUの縦軸を意識しなくても単体で楽しめる度が高い感じとかめちゃめちゃ好きなんですよね。
ソー単体映画の完結編となる本作は、「ソーは別にいいやって子にも楽しませたるか!」って雰囲気を出しつつ、シリーズのファンにもたっぷりご褒美が用意されてる傑作でしたわ。
とにかく上映時間中劇場がずーっと笑いっぱなしなのね。
単にいっしょになった客層の違いもあるだろうけど個人的感触としては『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』や『アントマン』に比べてもみんなゲラゲラ笑ってましたわ。
とくにうれしかったのは、劇場に来てるお客、別にみんなアメコミオタクってわけじゃなくて大半が休日に映画を見に来たファミリー層、学生たち、カップル、老人、と多種多様な取り揃えで満員になってるのに、劇中序盤で出てくる「ロキの像」が視界に現れる瞬間、画面になんの説明も出ず、なんのギャグ的なアクションもないのに劇場中がドッと笑いに包まれたんですよ!
すげー! みんな「ロキが出てくる」というだけで笑うのか! MCU作品ってここまで浸透してたのかー!
と胸が熱くなってしまった。すごいなー。
全体的にとにかく楽しくて、かっこよくて、かわいくて、笑えるとにかくポジティブな要素しかないしあわせな映画でした。このブログをわざわざ見にくるボンクラたち全員に見て欲しいよ! 最高だ。
以下ネタバレ話をば。
劇中、ソーが雷の能力に目覚める際に挿入されるオーディンのカットが、ドラマ版『孤独のグルメ』で腹が減ったことを自覚する井之頭五郎にしか見えなくて笑った。
コーグが岩人間だしまるで『ファンタスティック・フォー』のベン……というより声も高いしコメディリリーフだし、まるで『宇宙忍者ゴームズ』のガンロックだなあ!!
と思いながら見てたんですが、コーグって『プラネットハルク』からのキャラクターなんですね……。
ていうからクローナンって『ダーク・ワールド』に出て来た種族か。完全に忘れてました。
複数のネタバレレビューでも触れられてるけど、地球へアスガルドの民を「移民」させる展開が、原作でアスガルドがオクラホマに来ちゃった展開と重なりますな。『シージ』だとロキの策略でノーマンがアスガルドに攻め込んでアスガルドを滅ぼすことに繋がってしまう展開だったけど、映画だとロキがアスガルドの窮地を救うんだよな。でも北欧神話的にはロキが攻め込む方が合ってるんだよな。『ソー』を北欧神話的に考えるといろいろ無理が出てくるんで無視ってほうがいいとはいえ。
っていうか「俺らがアスガルドで暮らしてるのをお前らが勝手に書物にしたためたのが北欧神話とかいうやつじゃん!」って感じだもんなマーベルユニバース。
ラストシーン。
地球に向かう船の中で語らうソーとロキ。ロキが「私が地球に行っても大丈夫なのか?」
と話した後、謎の宇宙船*1が登場して物語は閉じますが、アレって「うわー!なんか襲われちゃった!」って展開じゃなくてロキの策なのかなあとも思ったり。
「信頼した時に裏切るのがロキのパターン」ですし、ロキが宮殿でテッセラクトを奪ったのも、その力を狙ってというだけでなくて、かつての雇い主であるサノスに再び接触しようと考えたのかなあ、と。
本作では色々あれどとにかくソーとロキのコンビ芸が最高だったので、また裏切らせるのも悲しいんですがロキってそういうキャラだしなー。みたいな。
*1:サノスの宇宙船