『バットマン:アーカムナイト』と『バットマン:アンダー・ザ・レッドフード』双方に触れての雑感
タイトルの通り。
10年ほど前に描かれたバットマンの邦訳本です。
ヒーローともヴィランとも敵対する謎の男、
レッドフードを中心に据えたお話
以下『アンダー・ザ・レッドフード』や『バットマン:アーカムナイト』
について直接、ではないけど
それなりにネタバレになりそうなこと書くのでご注意
『アンダー・ザ・レッドフード』は
昨年発売された『バットマン:アーカム・ナイト』とかなり繋がりがあり……
というか下敷きになっているお話でもあります
レッドフードはただツンツルテンのマスクを被ってるだけなのにやたらとカッコいい!
タフで、シニカルで、クールで
でも過去の経験からとてつもなく冷酷な面も持った魅力的なキャラクターです
いっぽうのアーカムナイトはというと
カッコいいコンバットスーツに身を包みながらも、
油断家で癇癪持ち、自信はあるのに実力が伴っておらず
そんなキャラなのになぜか部下の民兵からは
絶対的な信頼を得ている、なんというか「ヘタレ萌え」的なキャラ性を獲得しています
なんなんだろうこの差は……
ゲームをやっていれば分かる通り、
レッドフードとアーカムナイトはかなり密接な……近い存在であります
それなのになんでこう、キレてるのに憎めないレッドフードと
ヘタレでヘタレで本当にしょうもないアーカムナイトと、
こうも差があいてしまったんでしょうか?
読み終わったときは本当にアーカムナイトの不甲斐なさがおもしろくて
なかなか気づかなかったんですが
冷静に考えるとこの二者はゴールが違うんですね
レッドフードは「バットマン自体」に恨みは抱いていません
彼の目標は
「バットマンに代わること」
「バットマンではできないことをできる自分が、
バットマンに変わってその役割を果たし、バットマンを超えること」
です
いっぽう、アーカムナイトはバットマンに明確に恨みを抱いており、
その目標は
「バットマンを殺すこと」
なんですね
もちろんこの二者はそれぞれ正体を隠すまでの経緯も異なるわけですが
ゴールが違うんだからそりゃ違うキャラ性を獲得するよなあ、と
Batman: Arkham Knight - Red Hood Story Pack Full Trailer
ゲームのために新たに生み出されたヴィラン、アーカムナイトですが
正直、その経緯からあまりコミックへの逆輸入とかの方向は期待できない感があります
インジャスティスとかにはゲスト出演してるんですけどね……
ただほんと(ヘタレだけど)魅力あるキャラクターなので
今後もなにかで拾ってくれないかな~ なんて思ったり
ちなみに――おそらくあくまでゲームとのタイアップで本編とは関係ないお話と思うのですが――
『アーカムナイト:ジェネシス』というゲームの前日譚コミックもあるようです
こちらはiOSのアプリでも購入できるのでそのうち読んでみたいですねー
アーカムナイトはフィギュアも気に入っているので
そのうちこれのレビューも兼ねて
ネタバレ全開のもうちょっと突っ込んだ記事も書きたい気がする……そのうちね
そういえば『バットマン:アーカムナイト』の大型DLC『シーズン・オブ・インファミー』が配信されたそうで
当然まだやってねー
っていうか2周目プレイ中なんだけども……Falloutとかで止まってるけど
今回のDLCはメインゲームにフリーズやキラークロック、ラーズ・アル・グールなどが追加されるというかなり本格的な追加パックのようです
気になりすぎるんだが!!
と、いうわけで新年一発目からアメコミの話でございました
本作の(一応)メインヴィランのブラックマスク
コミカルさとカッコよさがいい塩梅でコイツも魅力的
ノーマンズ・ランドだと廃人みたいになってたのに
ずいぶん活き活きしてるなあ……
っていうか自分が触れた作品が偏ってるのかもしれないけど
なんかいちいちブラックマスクがキャラクター違う感じで
どれがいちばんポピュラーなブラックマスク像なのかよくわからない……
個人的に今作のがいちばん好きですけどね
ほかにもヴィランはいろいろ登場するし
ヒーローもジャスティス・リーグのキャラクターがけっこう顔を出すので
なんだかおトク感ある一冊です
割りとプレミア付き気味なんですが
先日重版したものが小プロの直販サイトで注文できるので
そちらで買うのをオススメしておきます